空想地図学会に行ってきました(後編)

気を抜くとすぐに期間があいてしまいますな。前編・中編に引き続き深夜のノリで書いているダラダラとした個人的感想です。よろしければお付き合いください。最後となる今日は強者揃いのCブロックです。

ウラカシさん

Twitter:(@kswdn)

非常に分かりやすいデザインの地図でした。時間の関係上ひとりあたりの発表時間が限られていたので、土地利用が色分けされた地図でおおまかな街の様子をまず捉えることができたのは非常に助かりました。

福原は以前ネットでも拝見したことがあったんですが、広域図になって周辺が見えてくるとまたイメージが変わってきますな。ネットに公開されていないラフスケッチの部分を見ることができるというのはオフラインならでは。

実際多くの空想地図作家さんが、ネットに公開しているよりかなり広い範囲の細かい設定も行っているイメージですね。そうでないと高速道路とか引けませんし、首都に相当する都市がどの方向でどのくらいの距離かだいたい分かってないと新幹線を引くのも難しいですもんね。

さて、家に帰って改めてウラカシさんのサイトを拝見しました。成川の通町地区を歩いてみるってのが良いですよね。より多くの方に空想地図を楽しんでいただくための仕掛けにも作者さんごとに個性があって、その違いを見つけていくだけでも楽しいですな。

稲瀬さん

Twitter:(@Lilihua_Rireika)

現実世界の歴史if系の架空国家。首都は上海とのことで、てことは公用語は体系立てられた呉語!?なんて思ったわけですが、国歌の歌詞はいわゆる北京の中国語〜な感じでした。そのへんの設定を詰めるのはかなり大変ですよね。今後どうなっていくのか期待大です。

何しろ作者は高校1年生。だからといって聞いてる人達が手加減しないで、気になったところはビジバシ指摘し、いいところは良いねぇとしっかり評価する。空想の世界をつくる一人として、高校生も社会人も平等って感じがすごく居心地いいなあと思った瞬間でした。

それにしても作るうえで必要となる知識の範囲が桁違いに広いなあ。特に現実世界、例えば東アジア情勢ががっつり変わった世界の行政区域なんか考えようものなら、一つ一つの国の現状の地域についても知らにゃならん、その知識をつけるために最低限の言語の知識もつけにゃならん、各立場から見た歴史認識の違いも…。応援してます。

うとさん

Twitter:(@utojunya)

空想地図作者ではない立場からのお話。空想地図というとみんななんとなく日本っぽい地図を描くけど、戦後日本ほど軍事色の薄い都市ってなかなかないよね、といった話題。

これは僕も気になっていました。ネットに上げられている空想都市の多くは、かつての軍事施設の名残はところどころ残っているんですが、現代の戦争を想定していないというか。舞台となる国が日本のような状況を前提としているのならともかく、そうでないとすれば無意識に日本の都市の常識に囚われていることになります。

じゃあ軍事的な考察をしてみようと思うとこれがなかなか難しくてですね、国や政治体制もオリジナルにしようとすると、それだけでかなり時間がかかります。それこそ↑の稲瀬さんのように、いろいろ考えねばなりません。かといって台湾や韓国の政治体制を前提にしてみても、道路網や鉄道網が日本っぽいままではミスマッチ。そんなわけで、結局日本の政治体制を借用すると。すると戦後日本の特異な部分、軍事色の薄さなどもセットで付いてくると。うーん。

韓国や台湾の政治体制を前提にした空想都市をつくれば、軍事的な考察もそれなりにできるでしょうか。興味があるので、ぜひ一度やってみたいです。うとさんは他にもいろいろ興味深い話をしてくださいましたので、詳しくはtogetterまとめからどうぞ。

地理人さん

Twitter:(@chi_ri_jin)

前半ちょこっとは米子市。もし鉄道がこっちに引かれてたら〜とか皆生温泉がもっと米子の街に近かったら〜とかでifの米子の交通網を空想。後半は空想地図相談会。地理人さんがつくってる街のお城はどっちにあった(方がしっくりくる)かを皆で話し合い、最終的に南案に決定。どちらも企画も親しみやすく、参加者の皆さんも楽しんでましたな。

さてそんな地理人さん、最近サイトが新しくなりました。それにあたっての意図というか、「地理情報の編集とデザイン」を本業にしてやっていく試行錯誤の様子が、2019年の振り返りとして地理人ノートにまとめられています。それを踏まえて、自分が今後の人生で空想地図とどう付き合っていくか考えてみると楽しいです。空想地図作家の方はもちろん、何か好きなものあるよ〜って方、2つ目の記事の4段表を見るだけでも何か参考になるんじゃないでしょうか。

僕はけっこう最近までは「普通に就職しながらたまに1段目享受できればいいや〜」ぐらいに考えていたんですが、きっかけは先月のマニアフェスタ×東急ハンズ。普通に東急ハンズに買い物に来た一般の方が空想地図に興味を持って関連商品を買っていく。あの光景はかなり印象的で、いろんなことを考えるきっかけになりました。

ゆうきさん

Twitter:(@koropinkoropin)

話が少し脱線してしまいましたので空想地図の話題に戻ります。続いてはゆうきさん。北海道のアイヌが文字文化を持ったという設定の現実世界の歴史if系空想地図。

メインは架空鉄道とのことですが、その舞台となる街もかなりしっかり考えられていますし、舞台となる国(人國)の歴史も理にかなってて、これだけで読み物として非常に面白いものになっています。南北朝分裂からの南朝が衰退していくあたりのくだりが狂おしいほど好き。各ステップが理にかなっていると途端に歴史ifの世界に引き込まれますね。

威津の世界の歴史設定もないことはないんですが、なんとなく南側の勢力が攻めてきて云々ぐらいな感じなので、最終的にはこのぐらい歴史設定もしっかりやってみたいものですな。そしたら空想選挙もできるし。

ところでゆうきさんの架空世界では北海道に高度な文化が持ち込まれて(史実でいう)江別に古くから街が作られていくわけですが、逆に東京にあたる土地に明治になって初めて街がつくられていたらどんな感じだったんしょうな。湯島3条5丁目、みたいな。

何だったら地図とか街とかにこだわることもないんですよね。2002年オフに金本知憲がFA権を行使してない世界の広島カープ、とか。もしWikiにありそう。現実ifたのしい。

らのさん

Twitter:(@ibrn_)

最後の発表者にして今回の企画を立ち上げた人。

地理人さんにも共通して言えることだけど、空想地図とデザインの能力を持ち合わせてる人って強いですよね(強いとは)。地図を共通言語として使える人にしてみれば、「空想地図さえあれば街の雰囲気とか歴史とか伝わるでしょ!だって描いてあるじゃん!」って思いがちなんですが、実際そうはいかないわけで。でも、ちょっとしたフックを与えてあげれば空想世界にどんどん入っていける人はいっぱいいるわけで。

そういう意味で、この方はかなり幅広い範囲に空想地図というボールを投げられる方なんではないかと個人的に思っております。らの様様様様様です。また近いうちにいろいろお話できれば光栄です。

改めて、今回は楽しい企画をありがとうございました。

空想地図学会(前編中編後編

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